店舗の顔となる木製看板は、「おしゃれ」という印象だけで終わるものではありません。素材選びや設置場所、そして時間とともに変化する木の表情まで含めて考えることで、はじめて長く使い続けられる看板になります。
木製看板が持つ本質的な価値を、素材と時間の両面から見ていきましょう。
木製看板が選ばれる理由
木製看板は、店舗やカフェ、整骨院など、さまざまな業種で選ばれています。アルミやアクリルといった人工素材にはない、自然素材ならではの存在感と温かみが、訪れる人に印象づけるからです。
自然素材ならではの存在感
木製看板の最大の魅力は、木目や質感が生み出す唯一無二の表情にあります。
金属やアクリルの看板が、シャープで均一な印象を与えるのに対し、木製看板は年輪の幅や節の位置、色合いによって一枚一枚異なる表情を見せます。
そのため、木製看板はそれ自体がひとつの作品のように店舗の個性を引き立て、空間全体に落ち着きや風格をもたらしてくれます。
また、木の色合いは光の当たり方や時間帯によって見え方が変わり、周囲の環境にやさしく溶け込んでいきます。
和風の店舗や自然派カフェ、工房など、コンセプトに「らしさ」や物語性を求める場合には、無機質になりすぎず、かっこよさと温かみを両立できる木製看板が選ばれやすい理由といえるでしょう。
一点物としての価値
木製看板は、同じ木目や色合いが二つとない「一点物」であることも大きな価値です。
特に一枚板や銘木を使用した看板は、樹齢100年を超える木から切り出されることもあり、その希少性や背景にある時間の重みが、店舗のブランディングに深みを与えます。
オーダーメイドで製作される木製看板は、店舗名や屋号、ロゴを彫り込むことで、世界に一つだけの存在として、店舗の個性を際立たせます。
大量生産の看板にはない特別感が、「この場所ならでは」という印象を生み、記憶に残る店舗づくりを支えていきます。
木製看板に使われる木はどんな木?
木製看板には、見た目の美しさだけでなく、屋外で使い続けることを前提とした素材選びが求められます。どの木を選ぶかによって、看板の寿命や経年変化の印象は大きく変わります。
一枚板・銘木が看板に使われてきた理由
かつて日本では、神社仏閣や料亭、老舗店舗の看板に、ケヤキやヒノキ、クスノキといった銘木が使われてきました。
これらの木材は樹齢が長いものが多く、材質が締まっていることから、耐久性が高いと考えられ、看板材として選ばれてきた背景があります。
また、一枚板は継ぎ目がないため、構造的にも安定しやすく、格式ある佇まいを生み出します。銘木の持つ深い色合いや美しい木目は、店舗に風格や信頼感を与え、長く使われる看板として選ばれてきました。
屋外で使われることを想定した木の性質
屋外に設置する木製看板には、防水加工だけでなく、木材そのものが持つ性質が重要です。耐水性や防腐性、耐久性に優れた樹種を選ぶことで、費用対効果の高い看板づくりが実現します。
たとえば、ヒノキは油分を多く含み、水を弾きやすい性質を持っています。クスノキは防虫効果のある成分を含んでおり、屋外での使用に適した木材として知られています。スギも、適切な乾燥処理や使い方を前提とすれば、軽量で加工しやすく、コストを抑えながら長く使える素材になります。
木材の耐水性や「水に強い」とされる理由については、樹種だけでなく、部位や樹齢、使い方によって大きく変わります。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
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木製看板の木の選び方

看板に使う木材を選ぶ際は、デザインや用途、設置場所を総合的に考える必要があります。木目の印象や樹種の特性を理解することで、理想の看板に近づけることができます。
木目や質感が与える印象
木目には、まっすぐに通った「柾目(まさめ)」と、波打つような「板目(いため)」があります。柾目はシンプルで上品な印象を与え、モダンな店舗やミニマルなデザインと相性が良いです。一方、板目は木らしい力強さがあり、ナチュラルな雰囲気やアウトドア系の店舗にぴったりです。
また、文字やロゴのデザインとの相性も重要です。木目が強く主張する素材には、シンプルで太めの文字が映えます。逆に、柾目のように落ち着いた木目には、細身の文字や繊細な彫り込みが美しく仕上がります。
看板に使われてきた樹種の例
木製看板に古くから使われてきた樹種には、それぞれ理由があります。ケヤキは堅く耐久性に優れ、鮮やかな木目が高級感を演出します。ヒノキは防腐効果が高く、香りも良いため、神社や和風店舗で好まれます。
クスノキは落ち着いた色合いで上品な印象を与え、スギは軽量で加工しやすく、価格も抑えられるため、フィールド看板や吊り下げ式の看板にも適しています。海外産では、ウェスタンレッドシーダーが水に強く、屋外使用に人気です。
用途で考える
看板を設置する場所や役割によって、求められる性質は変わります。店舗入口のA型看板であれば、持ち運びを考慮して軽量なスギやヒノキがおすすめです。軒先に吊り下げる看板なら、耐候性の高いクスノキやケヤキが適しています。
また、屋内の案内サインや部屋札であれば、デザイン性を重視した樹種選びも可能です。設置環境や注文内容に合わせて、最適な材料を選ぶことが、長く使える看板づくりの第一歩です。
オーダーメイドでつくる木製看板|百年木材

グロースリングが展開するプロダクト「百年木材」では、樹齢100年を超える国産銘木を使用したオーダーメイド看板の製作を承っています。素材の選定から製作、納期まで、店舗や用途に合わせた柔軟な提案が可能です。
長く使うことを前提にした銘木の看板
短期間で交換する前提の看板ではなく、10年、20年と使い続けることを想定した素材選びが、百年木材の特徴です。樹齢100年を超える木は、年輪が密で強度が高く、経年変化によって味わいが増していきます。
使い込むほどに色が深まり、木が持つ天然オイルが表面になじんで艶が出るため、時間とともに「育てる」感覚で看板を楽しむことができます。長く愛される店舗づくりに、銘木の看板は欠かせない存在です。
素材選び(材・樹種)から相談できる
百年木材では、看板づくりの出発点として、設置場所や用途、店舗の雰囲気を丁寧にヒアリングします。
屋外か屋内か、雨や日差しの影響を受けるかどうかなど、設置環境によって適した木材は異なります。
木材の性質を理解したプロが、樹種や材の状態を見極めながら、目的に合った素材を提案します。一枚板か集成材か、柾目か板目かといった選択も、見た目だけでなく使い方を前提に判断します。
加工・仕上げまで見据えた看板づくり
素材が決まったあとは、文字の入れ方や加工方法、仕上げを含めて全体を整えていきます。
木目とロゴの相性、彫り込みの深さ、防水加工の有無などを踏まえ、設置環境に合った仕様を選定します。
素材選びから加工までを一貫して考えることで、見た目だけでなく、長く使い続けられる木製看板が完成します。
木製看板の事例紹介
実際に製作された木製看板の事例をご紹介します。用途や樹種、デザインの工夫を参考にしてください。
店舗の入口で使われる木製看板の事例(A型)

東京都調布市にあるMOON鍼灸・整骨・整体院様では、開業にあわせて、百年木材が製作を手がけた木製看板が設置されました。
院内は木材をふんだんに使用した温かみのある空間で、看板もそのコンセプトに合わせたデザインとなっています。職人が手がけた木彫りの看板は、来院者を迎える第一印象として、院の雰囲気を象徴する存在です。
自然素材ならではの存在感が、整骨院の「癒し」というテーマと調和し、訪れる人に安心感を与えています。
軒先に吊り下げて使われる木製看板の事例

佐賀県にある若楠子ども園では、新園舎の教室サインとして、百年木材の檜と山桜を使用した部屋札が採用されました。丸い檜の枠に、ステンドグラスの花のモチーフを組み合わせたデザインで、やわらかく温かい印象を与えています。
吊り下げ式の木製看板は、軒先や廊下に設置することで、空間全体に統一感をもたらします。子どもたちの成長を見守る場にふさわしい、自然素材の優しさが表現された事例です。
使いながら育てていく、木製看板
木製看板は、設置した時点で役割を終えるものではなく、使いながら表情を深めていく素材でもあります。時間とともに色が深まり、木目が際立ち、使うほどに味わいが増していきます。
定期的な手入れは必要になりますが、それも含めて変化を楽しみながら付き合っていくことが、木製看板を長く愛用するための一つの考え方です。
自然素材である木は、湿度や温度の影響を受けながら、ゆっくりと表情を変えていきます。
その変化を受け入れ、共に時を重ねることで、看板は店舗の歴史とともに育っていく存在になるでしょう。

