木材の選び方には、見た目や強度、加工性など様々なポイントがありますが、特に「柾目(まさめ)」と「板目(いため)」は木目の違いが大きな特徴です。それぞれの板はどのように切り出されるかによって、見た目だけでなく、耐久性や用途にも影響を与えます。
この記事では、柾目板と板目板の違いや特徴、メリット、さらには注意点について詳しく解説し、木材選びの参考にしていただけるよう、分かりやすく説明していきます。
柾目(まさめ)とは
柾目(まさめ)とは、木材の切り出し方の一種で、木の年輪に対して垂直に切断された際に見られる木目のことです。この切り方によって、木目が均一に並び、反りや割れが少ないという特徴があります。上の図のように、直線的で緻密な模様を実現します。柾目材は木の芯に近い部分から切り出されるため、耐久性も高く、希少価値があるため高価です。
柾目板の特徴
年輪に対して垂直に切り出し、木目が均一に揃った美しい模様が見られる柾目板。年輪が直線的に並び、均一な木目が整然とした印象を与えます。ここでは、柾目板のメリットや用途、注意点を見ていきましょう。
柾目板のメリット
柾目板の最大のメリットは、反りや割れが生じにくい点です。木材の変形が少なく、長期間安定した状態を保つことができます。また、木目が均一で美しいため、デザイン性が高く、上品で洗練された印象を与え、高級感を演出する場面でよく使われます。さらに、湿度変化に強く、経年変化による劣化も少ないため、長期的な使用にも適しています。
柾目板の用途
柾目板は、見た目の美しさから、主に高級家具や内装材に使われます。特に、和室の建具や障子、フローリングなど美しさが重視される場面に最適です。また、反りや割れが少ないため、長期間にわたって形状を保つ必要がある場所にも適しています。さらに、手触りが滑らかで傷がつきにくいことから、触れる機会の多いテーブルやカウンターなどにもよく使われています。デザイン性と耐久性を兼ね備えた用途で選ばれる木材です。
柾目板の注意点
柾目板は美しい木目と高級感が魅力ですが、いくつかの注意点もあります。まず、柾目板は希少であるため、板目板に比べて価格が高く、予算が限られている場合にはコストが大きな課題となります。また、縦方向の力に弱いため、強度面では板目よりも劣ることがあります。
板目(いため)とは
板目(いため)とは、木材を年輪に対して平行に切り出した際に現れる木目のことです。木目が不規則で、節が多く出ることが特徴で、図のように自然な木の表情や存在感を引き立たせます。板目材は、1本の丸太から多く取れるため、柾目材に比べて価格が安い傾向にあります。
板目板の特徴
板目板は、木材を年輪に沿って平行に切り出した際に生まれる木目です。特徴的なのは、山形や曲線状の木目模様で、自然の豊かな表情を楽しめる点です。また、ランダムな木目が出るため、木材ならではの温かみや独特の風合いを感じることができます。ここでは、板目板のメリットや用途、注意点を紹介します。
板目板のメリット
板目板の主なメリットは、耐久性と傷の目立ちにくさです。板目は年輪が山形や曲線状に現れるため、柾目に比べて小さな傷が目立ちにくいのが特徴です。床材として使用した場合でも、日常的な摩耗や傷が目立ちにくく、ナチュラルな風合いが保たれやすいです。
また、年輪の構造上、縦横両方向からの力に強く、耐久性にも優れています。これにより、屋内外問わず様々な用途に適しており、特に耐久性が求められる場所に適しています。
板目板の用途
板目板は、その自然で豊かな木目の美しさから、主にフローリングや壁材、家具などに使用されます。木目がランダムで表情豊かなため、ナチュラルで温かみのあるインテリアに適しており、住宅のリビングやダイニングに多く採用されています。
また、耐久性が高いため、屋外のデッキや外壁材としてもよく使われます。特に、水に強い性質があることから、風雨にさらされる場所や湿気の多い環境でも長持ちし、実用性と美しさを兼ね備えた用途で活躍しています。
板目板の注意点
板目板はいくつかの注意点もあります。まず、板目は柾目に比べて湿度の影響を受けやすく、収縮や反りが出やすい点がデメリットです。乾燥すると収縮や湾曲が起こりやすい性質があり、特に横方向の変形が目立つことがあります。湿度が高い場所では、メンテナンスが必要になります。
また、板目は木目がランダムに現れるため、複数の板を使う場合に同じ模様で揃えにくく、デザインの一貫性を保ちにくいことがあります。用途に合わせて慎重に選ぶことが重要です。
百年木材のこだわりの柾目板
百年木材の柾目板は、樹齢180〜200年の杉から採取され、木目が美しく整った高品質な木材です。滑らかな質感と高い耐久性を持ち、無節の美しい仕上がりが特徴です。家具やカウンター材として、経年変化によるさらなる美しさを楽しめます。
ここでは、百年木材の柾目の家具シリーズから数点の商品と内装材「Hundredcedar」をご紹介します。
百年木材の特徴
百年木材は、樹齢100年以上の木材を使用し、自然乾燥や低温乾燥で丁寧に仕上げられた高品質な木材です。割れや反りが少なく、耐久性に優れており、美しい木目が特徴です。時が経つほどに独特の風合いが増し、長く愛用できる素材です。
国産杉の柾目材の家具「カウンター」
国産杉の柾目材を使用したカウンターは、美しい木目と高級感が魅力です。大阪・西心斎橋のカフェ&バー「cobotega」では、樹齢180〜200年の杉の赤柾材を使用したL字型カウンターが採用されました。細かい年輪と滑らかな質感が特徴で、手作業による削り出しで、シルクのような滑らかさを実現しています。時間と共にさらに美しい経年変化を楽しめる家具です。
国産杉の柾目材の家具「椅子」
国産杉の柾目材を使用した椅子は、自然の美しい年輪模様と優れた強度が特徴です。お尻を包み込むような快適な座り心地を実現するため、座面には樹齢100年以上の杉の柾目挽き材が使われています。木目が繊細で美しく、デザインはスタイリッシュな鉄製の脚と組み合わせて、どんな空間にも調和します。
国産杉の板柾混合の内装材
国産杉の板柾混合内装材は、樹齢100年を超える杉から作られた高級部材です。無節や上小節の美しい木目が特徴で、節をあえて残したタイプもあり、自然の風合いを楽しめます。年輪の密度が高く、耐久性と強度に優れているため、内装材としてだけでなく、外壁材としてもおすすめです。経年変化によってさらに味わい深くなる、唯一無二の空間を作り出します。
国産材の柾目板ならグロースリングへ
株式会社グロースリングは、宮崎県日向市で製材事業と百年木材事業を営む会社です。樹齢100年以上の国産杉を使用し、木材の美しさと強度を最大限に引き出す柾目板を提供しています。製材から乾燥、加工まで一貫して厳密な管理を行い、耐久性と美しい仕上がりを実現。さらに、お客様のニーズに合わせたオーダーメイド家具の提案も可能です。高品質な国産材の柾目板をお探しの方は、ぜひグロースリングにご相談ください。最適な木材選びを専門スタッフが丁寧にサポートいたします。お問い合わせはこちらから。