栗の木はどんな木?木材としての特徴や魅力、枕木など栗の用途も紹介

栗の木は、日本の自然環境で広く見られる木で、美しい木目や耐久性の高さから、建築材や家具など多岐にわたる用途で利用されています。栗の実の食用として、木材は線路の枕木などにも使われています。

本記事では、栗の木の主な産地や木材の特徴、具体的な用途などについて詳しく紹介します。栗の木の魅力を再発見し、木材選びの参考にしてください。

目次

栗(クリ)の木はどんな木?

栗の木は、ブナ科の落葉広葉樹で、秋に実る美味しい栗の実で広く知られている木です。樹高は10メートル以上に達し、樹皮は深い縦割れが特徴です。葉は長楕円形で鋭い鋸歯があります。栗の木は日当たりの良い場所を好みますが、耐寒性も強く日本各地に自生しています。花は初夏に咲き、雄花と雌花が同じ木に咲く単性同株です。栗の木は長寿命で、100年以上生きることも珍しくありません。

栗(クリ)の木の種類と主な産地

栗の木の実の代表的な品種には、丹波栗、筑波栗、銀寄栗などがあります。主な産地は、熊本県、愛媛県、茨城県、京都府などです。これらの地域では、気候や土壌が栗の栽培に適しており、品質の高い栗が収穫されます。産地ごとに特有の風味や食感があり、それぞれの栗が持つ魅力が楽しめます。

木材としての栗の産地は、北海道から本州、四国、九州に分布しています。特に福島県、宮城県、岩手県、島根県などに多いとされています。

木材の栗(クリ)の特徴や性質は?

栗の実は広く知られていますが、木材としての栗はどのような特徴を持つのでしょうか。

ここでは、栗材の具体的な特徴や性質について詳しく解説します。

耐久性

木材としての栗は非常に耐久性が高いことで知られています。理由は、栗の木材が含有するタンニンという物質です。タンニンは防腐効果があり、木材が腐りにくく、虫害にも強い特性を持っています。

さらに栗の木材は、屋外での使用であっても長期間にわたり形状や強度を維持できることから、古くから建築材や橋の材料、住居においては台所など水回りにも利用されてきました。また、風雨にさらされる環境下にある線路の枕木としても使用されていることからも耐久性の高さが伺えます。

耐水性

耐水性の高さは、栗材に含まれる高いタンニン含有量と密度の高さに起因します。水分が木材に浸透しにくいため、湿気が多い環境でも腐りにくく、長持ちします。

このような特性を持つ栗の木は、屋外の構造物や家具に最適です。特に耐水性が求められる庭園のデッキ材や橋の材として使用されることが多いです。さらに栗材は、乾燥しやすく、適切に乾燥させることで、さらなる耐水性と強度を得ることができます。

強度

栗の木材は非常に高い強度を持っています。これは、栗の木の繊維が密に詰まっているためで、重い荷重や強い衝撃にも耐えることができます。建築材としての栗材は、土台や梁など、構造上重要な部分に適しています。

強度の高さから、家具やフローリング材としても栗材は人気です。

香り

栗の木材は独特の甘い香りを持っています。特に、新しい栗材からは、甘くて木の温もりを感じさせる香りが漂います。この香りは、栗材に含まれる天然の樹脂やオイルから発生するもので、家具や床材に使用すると、独特の甘い香りに包まれた空間を楽しめるでしょう。香りは時間が経つと少しずつ和らいでいきます。

見た目・木目

栗の木材の色は、淡い黄色から濃い褐色までさまざまで、使い込むほどに深みを増していきます。木目は直線的で緻密なパターンを持ち、家具や建築材に使用すると、上品で落ち着いた印象を与えます。

木目の美しさは、特に家具やフローリングにおいて高く評価されており、独特の質感がインテリアデザインに活かされます。また、塗装や仕上げによってさまざまな表情を楽しめるのも魅力です。

経年変化・経年劣化

栗の木材は、使用と共に美しい経年変化を見せます。年月が経つにつれて、木材の色合いが深まり、独特の風合いが増していきます。この経年変化は、栗材の魅力の一つであり、長く使い続けることで味わいが深まります。しかし、経年劣化も避けられません。適切にメンテナンスを行わないと、表面に傷がついたり、乾燥による割れが発生することがあります。そのため、定期的なお手入れが重要です。

欠点・デメリット

栗の木材はさまざまな魅力がありますが、いくつかのデメリットもあります。まず、栗材は硬いため加工が難しい点が挙げられます。精密な加工や複雑なデザインを施すには高度な技術が必要です。

また、栗材は乾燥が難しく、適切に乾燥させないと割れや反りが生じやすい木材です。ですので、栗材を購入する際は、信頼できる製材所や専門店で、きちんと乾燥処理されたものを選ぶことが重要です。

栗(クリ)の木材の用途

栗の木材は、さまざまな用途で利用されています。具体的な用途について詳しく紹介しましょう。

建築材(土台など)

栗の木材は、建築材としても高く評価されています。特に強度と耐久性の高さから、家屋の土台や柱などの重要な構造部分に使用されます。栗材は腐りにくく、湿気に強い性質を持つため、長期間にわたって建物の基盤をしっかりと支えることができます。

また、栗の木材は風雨にさらされても耐久性を保つことから、外壁やデッキなどの屋外の構造材としても適しています。さらに、その美しい木目と自然な風合いが、建物に温かみと高級感を与えます。栗材を使った建築物は、見た目の美しさと機能性を兼ね備えているため、伝統的な和風建築からモダンなデザインまで幅広く採用されています。

線路の枕木

栗の木材は、線路の枕木としても広く利用されています。これは、栗材が持つ優れた耐久性と耐水性が理由です。鉄道の枕木は、常に重い列車の荷重を支え、さらに風雨にさらされる過酷な環境下に置かれます。栗材はそのような条件でも腐りにくく、長期間使用できます。

また、栗の木材は強度が高く、繰り返しの荷重や振動にも耐えることができます。このため、鉄道会社は安全性と経済性の両面から、栗の枕木を採用しています。さらに、栗材の枕木はメンテナンスの頻度が少なくて済むため、長期的なコスト削減にもつながります。鉄道における栗材の利用は、性能の高さから、今後も続いていくことでしょう。

家具・小物

栗の木材は、家具や小物の素材としても人気があります。耐久性があり、長年使用しても劣化しにくい点が栗材の魅力です。テーブルや椅子、キャビネットなどの大型家具から、まな板やカッティングボードといった小物まで、幅広く利用されています。

栗の木目は直線的で美しく、ナチュラルな風合いが部屋のインテリアに温かみを加えます。

栗(クリ)の木材を購入するには?

栗の木材をDIYなどで購入したい場合、購入先を慎重に選ぶことが重要です。ホームセンターやオンライン通販でも手軽に購入できますが、特に注意すべき点は木材の乾燥状態です。しっかりと乾燥処理が施された栗材を選ぶことで、反りや割れを防ぎ、長く使用することができます。

グロースリングでは、高品質な栗の木材を取り扱っております。また、樹齢100年を超える栗を使用したカッティングボードなどの商品も提供しています。

グロースリングの栗材の商品

グロースリングでは、オーダーメイド製品も承っております。写真は、国産の栗材を使ったダイニングテーブルです。ほぼ節のない美しい栗材のテーブルは、息子さんご夫婦に新築祝いのプレゼントとして承りました。

経年変化も楽しめる栗材、永く生活に寄り添ってくれる一生ものの家具をつくってみませんか。樹種やデザインなど、お部屋の雰囲気なども伺いながらカウンセリングさせていただきます。

栗など木材のことならグロースリングへ

栗の木材は、耐久性や美しい木目から、建築材や家具、小物など多岐にわたる用途で活用されています。

株式会社グロースリングは、宮崎県日向市の製材所です。栗のほか、杉、檜、楠、栂など高品質な木材を全国にお届けしています。また、樹齢100年を超える木材を使った製品の通信販売も行っております。

木材の仕入れをご検討されている方はもちろん、取り扱っている木材や製品について詳しく知りたい方も、どうぞお気軽にお問い合わせください。メールや電話のほか、オンライン商談も可能です。

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