国産材とは?国産材のメリットデメリット、輸入材との違いを解説

国産材とは、日本国内で育てられ、製材された木材のことを指します。森林面積が国土の約7割を占める日本では、国産材が特に注目されていますが、輸入材と比べてどのような違いがあるのでしょうか。

本記事では、国産材と輸入材の特徴やメリット、デメリットを詳しく解説します。木材選びに役立つ情報を提供し、国産材の活用の幅を広げるためのヒントをお伝えします。

目次

国産材とは?日本の国産材自給率

国産材とは、日本国内で育ち伐採され、加工された木材を指します。日本の国土の約7割は森林で覆われており、この豊富な資源の活用が重要視されています。国産材は、日本の気候や風土に適応して育つため、耐久性や美観に優れています。特に、四季折々の変化に対応できる力があり、建築材として非常に適しています。

2022年のデータによれば、日本で使用される木材の約40.7%が国産材であり、近年その利用は増加傾向にあります。しかし、依然として約60%は輸入材に頼っているのが現状です。建築用材の自給率は49.5%と比較的高いものの、非建築用材の自給率は34.2%にとどまっており、さらなる国産材の利用促進が求められています。

参考:「令和4年木材需給表」の公表について

国産材の利用は、環境保護や地域経済の活性化にもつながると期待されています。持続可能な森林管理を通じて、新しい木の成長を促し、土砂災害の防止にも寄与します。このように、国産材は日本の自然環境に適した木材であり、その利用を推進することで、地域社会の発展や環境保護に大きく貢献するのです。

国産材が使われない理由とは?

国産材が使われない理由はいくつかあります。ウッドショックや輸送コストの増加など複数の要因により輸入材の高く高くなっているものの、未だに「国産材の価格は高い」というイメージが浸透していることが上げられます。

また、日本の山間部で育つ木材は曲がりやすく、加工が難しいため、高度な技術が求められます。加工に手間がかかるため、その分コストがかさむことになります。さらに、日本の湿度の高い気候では木材の乾燥が難しく、乾燥不良による品質低下が生じやすい場合があります。乾燥が不十分だと、木材のひび割れや反りが発生しやすくなります。

これらの要因が重なり、国産材の利用が進みにくい現状があります。安定供給が難しいことも問題であり、多くの建築会社や工務店は輸入材に依存する傾向があります。

国産材と輸入材の違い

国産材と輸入材にはいくつかの明確な違いがあります。以下のポイントでその違いを説明します。

気候適応性

国産材は、日本の四季折々の気候に適応して育っています。そのため、湿度や温度の変化に強く、多湿な夏や乾燥する冬でも木材が変形しにくいといった建築材料として非常に安定しています。

一方、輸入材はその原産国の気候に適応して育っているため、日本の独特な気候条件に適応するのが難しい場合があります。このため、輸入材は日本の環境下で使用すると、変形や品質の低下が起こりやすいというリスクがあります。

輸送距離と時間

国内で伐採される国産材は、輸送距離が短いという点から、輸送中の損傷や劣化のリスクが少なくなります。木材の品質を維持する上で非常に重要です。一方、輸入材は長距離輸送となるため、その過程で木材が損傷する可能性があります。長時間の輸送や気候変動により、輸入材の品質が低下するリスクが高まります。

環境保護

国産材を使用することは、日本の森林資源の管理と保護に直接貢献します。適切に管理された森林は新しい木の成長を促し、土砂災害の防止にも役立ちます。森林の健全な循環は、地域の生態系の維持にも重要です。一方、輸入材は現地の森林資源に依存しており、日本国内の森林保全には直接寄与しません。輸入材の使用は環境保護の観点からは問題があるといえます。

コスト

輸入材は大量生産と大量流通によりコストが低く抑えられることが多いです。市場に安価な木材を供給することが可能である一方で、品質や環境保護の面での問題もあります。国産材は供給量が限られているため、価格が高めになることがあります。しかし、国産材の使用は長期的な環境保護や地域経済の活性化に寄与するため、総合的な価値が高いといえます。

以上の違いを考慮し、自分のニーズに最も適した木材を選ぶことが重要です。建材の選定にあたっては、気候適応性や環境保護の観点からも慎重に検討することをお勧めします。

国産材を使うメリットとは?

国産材を使うメリットは多岐にわたります。日本の気候に適した特性を持ち、長持ちする家を建てることができます。

また、国産材の利用は環境保護や地域経済の活性化にも貢献します。さらに、日本の豊かな森林資源を有効活用することで、森林の健全な管理にもつながります。具体的なメリットを以下で詳しく解説します。

日本の気候に適している

国産材は、日本の四季折々の気候に適応して成長しています。湿度や温度の変化に強く、日本の住環境に最適です。

例えば、多湿な夏や乾燥する冬でも、木材が変形しにくく安定した性能を発揮します。長期間にわたって快適な住まいを維持するためには、国産材の使用が推奨されます。さらに、国産材は湿気を適度に吸収・放出する特性があり、室内の湿度調整にも優れています。

このため、カビの発生を抑え、健康的な住環境を提供することができます。こうした特性は、健康で快適な生活を支える重要な要素となります。

環境保護に貢献

国産材の使用は、日本の森林を守ることに繋がります。適切に管理された森林は、新しい木の成長を促し、土砂災害防止にも寄与します。

例えば、伐採後には植林が行われるため、森林資源が持続可能に保たれます。地域社会や地球環境の保護のためにも、国産材の利用が重要です。さらに、地元の森林を利用することで、輸送に伴う二酸化炭素の排出量を削減し、地球温暖化対策にも貢献します。

このように、国産材の使用は環境保全だけでなく、地域の生態系の維持にも繋がるのです。

輸送によるダメージが少ない

国内で伐採され輸送距離が短い国産材は、木材が損傷するリスクが低くなります。輸送中の振動や長時間の保管による劣化が少ないため、品質の高い木材が提供されます。

国産材は輸送過程でのストレスが少なく、建材としての性能を最大限に発揮することができます。また、輸送にかかるコストも抑えられるため、コストパフォーマンスの面でも優れています。

さらに、輸送による環境負荷も軽減できるため、持続可能な資源利用の観点からも大きなメリットがあります。

地域経済の活性化

国産材の使用は、地域の林業や製材業の支援に繋がります。地元の経済を活性化させ、雇用機会を創出する効果があります。

例えば、各地域の森林資源を活用することで、地元の産業が潤い、経済の循環が促進されます。地元の発展を考えると、国産材の使用が推奨されます。さらに、地域の伝統的な木材加工技術の継承にもつながり、地域文化の維持と発展にも貢献できます。

こうした地域経済の活性化は、住民の生活の質を向上させ、持続可能な地域社会の構築に寄与するでしょう。

国産材を使うデメリットとは?

国産材を使うことには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、具体的なデメリットを見ていきましょう。

価格が高い

国産材は生産コストや流通コストが高いため、結果として建築コストが上がる原因となります。特に、伐採から製材までのプロセスにおいて、国産材は労働費や管理費がかかるため、価格が高くなる傾向があります。

また、輸送コストも国内外での価格差に影響しています。小規模な流通が多いため、コストが高くなることもあります。これにより、消費者や建築業者にとっては、建築コストの面で選択が難しくなることがあります。

しかし、国産材を利用することで地域経済の活性化や地元の森林管理に貢献できるため、長期的には持続可能な発展に寄与することができます。

流通量が限られている

日本国内の森林資源は豊富ですが、国産材の流通量は限られています。これは、国内での生産能力や伐採・加工の効率が限られているためです。そのため、大規模な建築プロジェクトでは必要な量を確保するのが難しい場合があります。

さらに、国産材の供給が不安定になると、建築スケジュールが遅延するリスクもあります。流通ネットワークが発展していないため、供給チェーンが途絶える可能性も考慮する必要があります。

しかし、国産材を利用することで日本国内の林業や製材業を支援し、今後の供給安定化に向けた取り組みを後押しすることができます。これにより、持続可能な資源利用が実現できるのです。

高い加工技術が必要

日本の森林は山間部に多く、木材は曲がりやすいものが多いです。そのため、国産材を使用するには高い加工技術が必要となります。

特に、均一で直線的な木材を必要とする場合、加工の難易度が上がり、コストも増加します。また、加工に時間がかかることで、建築プロジェクト全体のスケジュールにも影響が出る可能性があります。

しかし、高い加工技術が必要ということは、職人の技術向上や新たな加工技術の開発が進み、結果として日本の木工産業全体の技術力向上に繋がるといえます。

天候の影響を受けやすい

国産材は日本の気候に適応していますが、伐採や加工の過程で天候の影響を受けやすいことがあります。

特に、湿度の高い季節には木材が乾燥しにくく、品質に影響を与えることがあります。このため、乾燥施設や保管方法に工夫が必要であり、コストが増加する要因となります。しかし、天候に対する適応力を持つ国産材は、日本の四季に適した素材としての特性を発揮します。

国産材は、デメリットをカバーするような設備が整い、高い技術力と品質の高い木材を安定供給できる製材所を選ぶことが重要です。

国産材まとめ

国産材には多くのメリットがあります。日本の気候に適応し、長寿命で耐久性の高い建材として利用できます。

株式会社グロースリングは、宮崎県日向市で国産材を取り扱う製材会社です。高品質な杉や檜、栗、くす、栂などの木材を全国に提供しています。

豊富な仕入先から高品質な原木を調達し、卓越した製材技術と厳しい選別基準で、短納期かつ小ロットでお届けします。豊富な在庫と安定供給を実現するための充実した設備も備えています。

商品についてのお問い合せや具体的なご相談をお待ちしています。オンライン商談も可能ですのでお気軽にお問合せください。

こだわりの国産材選びにおいて、よりご満足いただける材料を提供できることを願っています。

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