欅(ケヤキ)材の特徴と用途・メリット・選び方|家具や建築で人気の木材

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日本を代表する広葉樹「欅 (ケヤキ) とは

欅(ケヤキ)は、日本各地の山地や平野部に広く自生する落葉広葉樹で、国内ではとくに本州・四国・九州で多く見られます。力強い樹形と堂々とした姿から、公園や街路樹、神社の御神木などにも利用されてきました。
木材としても歴史が古く、古民家や寺社建築の構造材として重用され、耐久性に優れた木材として知られています。
欅は日本の暮らしと密接に関わってきた代表的な国産材の一つです。

欅(ケヤキ)材の特徴

欅材は、色味や木目の美しさ、重厚な質感、そして時間の経過とともに深まる風合いが特徴の広葉樹です。
以下では「見た目」「加工性と耐久性」「経年変化」に分けて、素材としての性質をご紹介します。

見た目の特徴(色目と木目)、香り

欅の色味は、辺材が淡い黄褐色、心材は赤みを帯びた黄褐色で、辺心材のコントラストがはっきりと表れます。
木目ははっきりとしており、通直な木理のほか、玉杢(たまもく)や虎杢(とらもく)などの美しい杢目が現れることがあります。
香りはほんのりと木の香りを感じられ、室内で使用すると天然木の存在感をより感じやすくなります。

加工性と耐久性

欅材は比重がおよそ0.66〜0.69と高く、非常に硬くて重い木材です。そのため、切削や加工には高度な技術と丁寧な道具管理が求められます。
ただし、しっかりと乾燥させた欅は寸法安定性に優れ、施工後の反りや狂いが出にくくなります。また、耐久性や耐朽性も高いため、長期間使用される構造材や家具材として重宝されています。

経年変化

欅は経年とともに表情を変える木材です。使い始めは黄橙色〜赤褐色ですが、時間の経過とともに艶が増し、飴色や朱色がかった深い色合いへと変化していきます。
さらに、木目の陰影が際立ち、美しさが増していく様子は、長く使うほど愛着が湧く理由の一つです。
光の当たり方や空気環境、手入れの有無によって、色味の変化には個体差が出ます。

欅(ケヤキ)材の用途

欅材は、その堅牢性と美しい木肌を活かし、幅広い分野で使用されてきました。

・家具用途
テーブル、椅子、タンス、戸棚、和机、ちゃぶ台などに多く用いられます。
特に天板や扉の面材など、木目や杢の美しさを見せたい部分で力を発揮します。

・建築用途
構造材(柱・梁・土台)、床材、階段、カウンター、框まわり、装飾格子などに活かされます。古くから寺社仏閣の柱や梁にも欅の巨材が使われ、清水寺の舞台の柱に欅が用いられてきた例もあります。

・工芸・小物用途
仏壇や仏具、彫刻、寄木細工のほか、お盆・お椀・杵(餅つき用具)、和太鼓の胴などに利用されます。さらに壁板・天井板・建具・無垢フローリングといった内装材にも用いられ、住空間を上質に演出します。

このように欅材は、大型の構造用途から精緻な工芸品まで、素材特性を活かした多彩な使われ方をしています。

木材を選ぶときに大切なポイント

木材を選ぶ際は、樹種の特徴だけでなく、乾燥や加工の丁寧さ、木取りの方法、用途との相性などを総合的に確認することが重要です。主なポイントは次のとおりです。

・乾燥処理の精度
しっかり乾燥されていない木材は、施工後に割れや反りが起こりやすくなります。天然乾燥や人工乾燥の精度を確認しましょう。

・木取り(柾目・板目)の違い
柾目(まさめ)材:年輪がまっすぐ並び、反りや狂いが出にくく寸法安定性に優れます。棚板・建具など精度が求められる箇所に向きます。

板目(いため)材:木目の表情が豊かで、天板・扉など“見せ場”になる部分に使われやすいです。

<関連記事>柾目とは?柾目板と板目板の違いや特徴、メリット・注意点も紹介


・加工・仕上げの丁寧さ
加工や仕上げの精度が完成後の美しさや耐久性を左右します。信頼できる製材所の仕上げを選びましょう。

・用途・ライフスタイルとの相性
使用環境(湿度変化、日光、通気など)や暮らし方に合った材を選ぶことで、長く快適に使えます。

このように、単に樹種だけなく、上記のような観点を総合的に見極めることで、満足度の高い木材選びにつながるでしょう。

樹齢100年以上の「銘木」の魅力とは

樹齢100年以上を経た木は、銘木と呼ばれ、木材として特別な価値を持ちます。
長い年月を経て育った樹木には、次のような魅力があります。

・年輪の詰まりと経年変化の美しさ
細かく詰まった年輪が緻密な木質をつくり、長く使うほどに艶や深みが増していきます。

・強度・耐久性の高さ
成熟した材は摩耗や衝撃に強く、寸法安定性も高まりやすい傾向があります。

・希少な杢目模様
玉杢や虎杢など、老齢木ならではの独特の表情が現れることがあり、観賞価値を高めます。

こうした特徴から、銘木は「単に古い木」ではなく、長い時間をかけて完成度を備えた素材だといえます。

ただし、銘木を活かすには伐採後の乾燥や加工に高い技術が求められます。
グロースリングの百年木材事業では、この価値ある樹齢100年以上の国産材にこだわり、確かな管理と製材技術で、家具やインテリア小物へと新たな命を吹き込んでいます。

欅など木材のことならグロースリングへ

欅をはじめとする国産銘木を扱うグロースリングでは、木材を最大限に活かすために、次の4つのこだわりを大切にしています。

樹齢100年以上の原木のみを使用
年輪が細かく詰まった美しい木目と、高い耐久性を備えた木材を厳選。

すべて国産材を使用
担当者が産地に直接足を運び、信頼できる原木だけを仕入れています。

独自の乾燥技術
天然乾燥とバイオマス乾燥を組み合わせ、木の色艶を損なわず環境負荷も軽減。

「そだてもの」の発想
暮らしの中で永く育ち、味わいを深める木材を届けています。

長く育った木を、さらに永く暮らしの中で活かしていただけるように──。
家具やインテリア小物を通じて、銘木の魅力をお届けしています。

欅をはじめ木材についてのご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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