木取りとは?木取り図や製材の工程も紹介

木取りは木材の製造業において非常に重要であり、効率的な木取りを行うことで製品の品質向上やコスト削減が可能となります。

本記事では、木取りの意味や木取り図、製材工程、木取りに関連する用語などを詳しく解説していきます。

目次

木取りとは?意味を解説

木取りとは、丸太から木材を効率的かつ品質を保ちながら加工するための工程を指します。原木からどのように切り出すかを計画したうえで、最適な裁断方法によって無駄な廃棄を減らし高品質な木材を得ることが可能です。

このプロセスでは、木目や形状を考慮しながら裁断手順を決めるため、熟練した技術と経験が求められます。適切な木取りにより、建築材や家具などの用途に合った木材を効率的に生産できます。

木取り図はどんなもの?

木取り図は、木材を効率よく無駄を最小限に抑えて切り出すための設計図です。木材の寸法や形状、木目の向きなどを考慮してどの部分から材料を取り出すかを計画し、全体を無駄なく活用します。

これにより、材料費の削減や作業効率の向上が図れます。木取り図をつくることで必要な材料が正確に把握でき、裁断作業がスムーズに進みます。特に複雑なカットや多くのパーツが必要な場合には非常に役立ちます。

木材ができるまでの作業工程

原木から商品の木材となるまで、どのような工程があるのでしょうか。宮崎県日向市の株式会社グロースリングでは、間伐の際の杉の小径木の製材事業を行っています。当社での製材の流れをご紹介します。

まず厳選された原木の仕入れから始まります。グロースリングでは、杉の小径木や百年木材を素材業者や原木市場、森林組合などから調達します。仕入れた原木は自社トラックで製材工場へ運搬し、製材前に皮を剥きます。

製材では、前章で紹介した木取り作業を綿密に行い、熟練の職人が建築材や梱包材などに仕分けします。製材後の木材は、製品グレードごとに分類され乾燥工程に移ります。

樹齢100年以上の銘木「百年木材」は、天然乾燥と低温除湿乾燥を組み合わせ、品質を保ちます。さらに、植物検疫の基準に合わせて熱処理を施した後、短納期や小ロットの要望に応じて出荷されます。

これら一連の工程を通して、最適な高品質の木材を提供しています。

木取りに関する用語紹介

木取りにおいて、木材の特性や加工方法を理解するための用語がいくつかあります。これらの用語を知ることで、木取りの品質や効率を高めることができます。特に「赤身と白太」「芯持ちと芯さり」「柾目」「板目」などは、木材の種類や用途を考える上で重要な概念です。それぞれの特徴や使い方を知ることで、木材を無駄なく最大限に活用することができます。用語を詳しく解説します。

赤身と白太

「赤身」と「白太」は、木材の内部と外部を指す用語です。赤身は中心に近い部分で、濃い茶色や赤みを帯びているのが特徴です。硬くて耐久性が高く、腐りにくいため、建築材や家具など強度が求められる場面でよく使われます。

一方、白太は外側にある薄い色の部分で、柔らかく加工しやすいですが、虫に食われやすい傾向があります。白太は装飾部分や軽量な家具に使用されることが多いです。用途に応じて赤身と白太を使い分けることで、木材の特性を最大限に生かすことができます。

「赤身」と「白太」、療法が混在した木材を「源平(げんぺい)」と呼びます。名前は、源氏と平家が戦った源平合戦の際に、平家が赤旗、源氏が白旗を掲げていたことに由来しているといわれています。

芯持ちと芯さり

「芯持ち」と「芯さり」は、木材の中心部分に関連する用語です。芯持ちは、木材の中心を含む形で切り出されたもので、内部に芯があるため、強度と安定性が高く、柱材や構造材に多く使われます。特に木の年輪が真ん中にくるため、木材の反りやねじれが少なく、耐久性も優れています。

一方、芯さりは木材の中心を避けて切り出されたものを指し、割れやすい中心部がないため、加工しやすくなっています。見た目も美しいことから、主に家具や建具などの製品に使われることが多いです。

柾目

柾目(まさめ)は、丸太を縦に切った際に現れる直線的な木目を指します。木目がまっすぐで美しいため、高級家具や建築用の化粧材として使用されることが多いです。柾目は木材の反りや割れが少なく、耐久性も高いため、長期間にわたって美しさを保ちます。

また、一定の木目が揃っているため、加工後の見た目が非常に美しく、和室の床材や高級なフローリング、建具などで重宝されています。しかし、その特性から加工が難しく、一般的には高価な素材とされています。

板目

板目(いため)は、丸太を輪切りにして横方向に切り出した際に現れる曲線状の木目です。木目が大きくダイナミックな模様になるのが特徴で、独特の表情を持つため、家具やフローリング、壁材など幅広い用途で使われます。板目は木の成長に沿って切り出されるため、木材本来の自然な雰囲気を楽しめます。ただし、木目が不規則で割れやすく、反りやすいというデメリットもあるため、加工時には十分な注意が必要です。適切に使えば、木材の持つ温かみや美しさを最大限に引き出せます。

グロースリングのこだわりの木取り

株式会社グロースリングは、宮崎県日向市の製材所です。創業以来、製材の計画である「木取り」は一番の要としています。

当社が何よりも大切にしていることは『丸太一本を無駄なく使う』こと。

梱包材・建築材に最適な製品を作るために、日々入荷する丸太一本一本を見て、きめ細やかに選別し、厳しい基準のもと製材を行います。梱包材・建築材にならない部位は、酪農農家さんが使う『おが粉』にします。

また、百年木材事業では、家具・内装材・インテリア小物・食器それぞれの特徴に合わせ、適切な厚み・部位を製材できるよう木取りします。

樹齢100年を超える丸太は、大きくてダイナミックな節が出てくることもあります。

通常、建築材などでは節を避けて製材されますが、当社ではこの節を敢えてオブジェやテーブル天板のアクセントとして活用しています。

さらに、小物を使う際に出る端材は小さなアクセサリーに、樹皮は天然水で煮出して草木染めの染料になっています。

最後の最後まで木材を無駄にすることなく、世界に1つだけの品物を生み出すために、緻密に計算した木取りを行っています。

百年木材の柾目板

百年木材は「百年育てた木を百年使う」という理念のもと、長い年月を経て育った高品質な国産材を活かしています。特に「ハンドレッドシダー」は、スギ材の持つ美しい年輪や独自の木目が魅力的で、内装材として多くの方から高い評価を受けています。

断熱性と調湿作用があり、快適な室内環境を保つのに最適です。また、木の香りが空間に心地よさをもたらし、経年変化により色合いや質感が深まり、使うほどに味わいが増します。

さらに、ハンドレッドシダーは虫・カビに対する耐性も高く、長く使えるのが特徴です。フローリングや壁材に使用すると、自然で落ち着いた空間を演出し、温かみのある暮らしを実現します。

見た目の美しさだけでなく、機能性も兼ね備えた「ハンドレッドシダー」は、木材の良さを存分に楽しみたい方にぴったりの内装材といえるでしょう。

徹底した品質管理で高品質な木材を提供

宮崎県日向市のグロースリングは、木取りの段階から細心の注意を払い、最適な裁断方法を選択しています。これにより、木材の美しさや強度を最大限に引き出し、無駄のない製品作りを実現しています。

特に「百年木材」や「ハンドレッドシダー」は、長年の経験を活かした木取り技術により、自然な風合いと耐久性が高い内装材として高評価を得ています。

また、乾燥や加工の工程も徹底的に管理されているため、長期にわたって高品質を維持します。お客様のご要望に応じたオーダーメイドの家具や建材の提案も可能です。美しさ、耐久性、そして高い品質を求める方は、ぜひグロースリングにご相談ください。専門のスタッフが最適な木材選びから加工、納品まで丁寧にサポートいたします。お問い合わせはこちらから、お気軽にご連絡ください。

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